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ここのところ、深海を漂う夢ばかり見ているのだと。
その海底に広がる古の都市は、どんな美術館で目にする芸術よりも精巧に創られていながら、人工物らしさがないのだという。
神秘的で、美しいそれらを眺めているうち、ひどく懐かしいような想いに捉われると同時、ひどく恐ろしい何かを目撃してしまったような悍ましさに苛まれ、目を覚ますたびに自我が削れていく感覚がすると彼は淡々と語り続けた。
悪夢障害の患者は何人も診てきたが、美麗な海底都市を目の当たりにして恐怖を覚えるといった類の話は、今までに聞いたことがなかった。
溺れる夢、刺殺される夢、奈落へと落ち続ける夢、すべてを喪う夢――何かしらを喪失し、破壊される光景ばかりが悪夢ではないのだなと児嶋は密かな関心を覚え、カルテに筆を走らせる。
海、もしくは水に対して何らかの恐怖を抱くような体験があったのかと一応は尋ねてみたものの、答えは「否」。それどころか学生時代、彼は水泳に打ち込んでいたそうで、今でも泳ぎは得意な方であると豪語した。
その上、これといった悩み事もなく、生活は公私ともに順調なのだという。
にも関わらず、摩訶不思議な夢に毎夜魘され続け、いよいよ限界がきたので当院を受診したとの事だった。
長引く悪夢には、必ず理由がある。
日頃のストレス、悩み、そうでなければ過去に負った心的外傷など、それらが原因となって発現する障害を、児嶋たち医師は「悪夢」と呼び、抗うつ剤なり眠剤なりを処方するのだが、そもそもの原因が分からないとなると、正直なところ、打つ手がない。
「……悪夢の他には何か、症状は?」
児嶋がそう尋ねると、男は虚ろな視線のまま、纏ったシャツの袖を捲って自らの腕をこちらへと差し出してみせた。
「肌荒れが酷くて……。これも、悪夢によるストレスでしょうか」
外気に晒されたその腕を見て、児嶋は思わず目を見張る。
腕の皮膚が、鱗状に幾重にも剥がれて硬く固まっていたのだ。
「これは――」
彼の言う通り、ストレスが肌荒れを起こすという事象は決して珍しくもない。
だが、しかし。これは果たしてその症状に当てはまるだろうか。
それは肌荒れというよりも、人間から別の生物に成り代わろうとしている変態にも見えて、非常に恐ろしかった。
「……!」
皮膚科も紹介するべきだろうかと児嶋が顔を上げたその時である。
目の前の患者は、姿を消していた。
代わりに診察室内に鎮座していたもの――それは、忽然と消えた患者の服を纏った、グロテスクな魚人であった。


